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2022/11/24

大塚実業のエコへの取り組み〜ろ布(濾布)端材を使ったトートバッグ〜

最近では、SDGsやエコに対する取り組みが行われている企業が多数あります。以前、こちらの記事でも紹介しているように、大塚実業のろ布(濾布)とSDGsへの取り組みにも密接な関わりがあります。

今回はそんな取り組みの一環として、大塚実業のろ布(濾布)端材を使用して製作したトートバッグをご紹介いたします。

ろ布(濾布)端材でトートバッグを製作したきっかけ

初めは、「端材を使った商品ができたら面白い」、「ノベルティを作れないか」という発想から、コースターやしおりが候補に上がりました。そこから製作業者さんと話をする中で、弊社のモノフィラメントに注目していただき、「夏向けにスケルトンのバッグを製作したらどうか」という案を上げていただきました。

ただ、具体的に調査をしていくと、モノフィラメントは糸の性質上、バッグとして製作するには扱いにくいため断念しました。そこで、モノフィラメントに代わるポリプロピレンのマルチタイプ生地を採用し、「ろ布(濾布)の端材を使ったオリジナルトートバッグ」が出来上がりました。

※大塚実業の製品紹介はこちら

端材活用という業界全体の課題に向けて

ろ布(濾布)端材の再利用は、サスティナブルな取り組みという面だけではありません。そこには「端材活用」という業界全体の問題を解決する糸口があると考えます。

大塚実業でろ布(濾布)を作成する際には、お客様の要望をもとに、幅に合わせて生地をカットをします。その時に余った半端な生地がろ布(濾布)の端材になります。お客様の要望によって生地の幅が変わるため、毎月出てくる端材の厚みや量は一定ではありません。

しかし、端材をトートバッグなどに再利用するには、同じ厚さの端材を使用することが必要で、かつ毎月一定量の端材を確保することが求められます。他社の事例でもそうですが、端材活用にはあらゆる条件を揃えるハードルがあり、業界全体がサスティナブルに取り組む上の課題であると言えます。

私たちはこの課題を解決するために、「トートバッグに必要な端材を確保する」のではなく、「余った端材に合わせてトートバッグを作る」考え方を取り入れました。

「あらゆる条件が揃わなければ安定した端材の活用が難しい」という業界全体の課題に、新たな突破口を示す取り組みであると自負しています

今後、ろ布(濾布)の端材で新たなものを作り出すとしたら

現在はろ布(濾布)の端材を使ってトートバッグを作っていますが、今後はランタンやランプシェード、キーホルダー、ポーチなど、バリエーションを広げていきたいと考えています。

例えば、ナイロン素材を合わせて粉砕させ、フィルムに載せると新たな素材として使用できるようになります。端材が再生繊維に戻れば、様々な用途が生まれる可能性があります。また、ポリエステルやナイロンは染色することが可能ですので、そういった面でも新しい試みができると考えています。

一方で欠点としては、様々な太さの糸を混ぜてしまうと、繊維の強度が落ちてしまうという可能性が挙げられます。工業資材系やアパレルなどの領域に使用することは、現時点では課題があるでしょう。

他社の取組みに、モノフィラメントを使って防虫ネットを作っている事例や、殺虫成分をモノフィラメントに練り込み、蚊帳を作成している事例もあります。

特に蚊帳を活用した事例はアフリカや南アジアなどで見られるデング熱の発症を防ぐ方法として、とても有効的な施策だと感じました。それ以外の活用方法としては、昨今キャンプが流行っているため、キャンプ用の蚊帳ネットを作成することも面白いのではないかと考えています。

ろ布(濾布)の端材を使って新たな商品を作成するには、安定した端材の種類・サイズを確保する必要があります。それに加え、世の中のニーズを調査して企画に落とし込むといった段階が必要ですが、今後も引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思います。

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