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2022/09/25
ろ布(濾布)に関する代表的な問題と解決方法について
大塚実業株式会社 営業部部長 松田直樹です。
前回はろ布(濾布)を導入していただくまでの流れを記事にまとめました。
今回は、代表的なろ布に関する問題とその時に行いました解決方法などについて
実際にあった過去の事例に触れながら4パターン御紹介いたします。
①目詰まりが多くなった場合
化学薬品関連のお客様が工場内のフィルタープレス機において、スラリーの性状の変更があり、ろ布(濾布)の目詰まりが多く、製造効率が下がってしまうという問題が発生していました。
ろ布(濾布)の目の粗さをスラリーに合わせて材質・糸の種類・表面処理を施すことによってケーキの剥離と洗浄性が向上し、目詰まりの頻度を減らすことができました。
②剥離性を向上させたい場合
鉱業・採石業・砂利採取業関連のお客様が高いケーキの剥離性を誇るモノフィラメントという、
しなやかでなめらかな表面が特徴の糸に変更したことで、剥離性が向上しました。
比較的粒子の大きなスラリーのろ過に適しています。
③破れが発生した場合
鉄鋼関連のお客様で使用されていた脱水機の仕様として高圧の圧搾工程がございました。
高圧で圧搾するためにろ布(濾布)にかかる負荷も大きくなり、
ろ布(濾布)破れが頻繁に発生して安定操業ができず稼働率も下がり大変お困りでした。
何とか解決させていただきたいと思い、お客様専用の高強度ろ布(濾布)を1から開発してご提案した結果、
これまで頻繁に起こっていた破れが減少してろ布(濾布)の平均寿命が従来の2倍以上となり、
安定操業が可能となり稼働率UPに貢献できました。
④ろ過漏れが発生した場合
ろ過をする液の性状に対して目の粗さが大きく最適ではないため、濁りが出やすいと言った事例がございました。
当社では、そのような「ろ布(濾布)の目の粗さ」を細かく設定できる
大塚カレンダー加工と呼ばれる独自の特殊加工技術がございます。
従来の繊維業界は「速く大量に」という考え方で製造を行っていました。
しかし、当社ではろ過という「精度」を求められる商品を製作しているとの考えから、
良いものをしっかりと作る製品作りをしております。
このカレンダー技術においても大塚実業独自の考えがノウハウとなり、
以前では考えられないような加工や微妙な調整が可能となり、たった1種類の生地を多彩に変化させることを実現いたしました。
これらの代表的な事例をご紹介しましたが、お客様が今使っているろ布(濾布)、使用状況や使用条件によって
交換するタイミングや変更するべき最適なろ布(濾布)が異なりますので
お困り事がございましたらろ布(濾布)の診断ドクターの私たちにお気軽にご相談下さいませ。